2022年12月05日
第6回臨床自律神経Forumで発表しました
第6回臨床自律神経forum
日時:2022年11月19日
会場:川崎市産業振興会館
主催:臨床自律神経機能Forum
当院は、「脊柱の調整は自律神経活動を健常にするか」 ー副題:脊椎原性疾患の発症機序を考えてー
の表題でポスター発表を行いました。
抄録を添付いたします。
脊柱の調整は自律神経活動を健常にするか
脊椎原性疾患の発症機序を考えて
桜カイロプラクティック 吉野和廣、吉野和織
第6回自律神経フォ―ラム抄録
背景 コンピュータの性能が向上し、心拍変動中の交感神経と副交感神経の測定が容易になり、交感神経のリズムは骨格筋の血管運動神経と相似し、骨格筋の活動と交感神経活動が密接に関わるとの報告も散見される。演者らは骨盤が左右対称的に歪むことを報告して来た。骨盤の歪みは体幹を捻じれさせ、脊柱は逆方向へ補正をするので変位が発生する。変位は脊柱に沿う交感神経幹・神経節の活動と体性神経との協調活動を混乱させて心身の機能が不全になる仮説を掲げている。これまで心拍R-R間隔中の時間・周波数領域の解析法で被験者が体位変換時、交感神経反応上昇型、同反転型、安静時自律神経活動低下型であったのが、脊柱補正後は健常型に近づく所見を得た。
目的 脊柱の変位を補正した時と行わない時の自律神経活動の成分の違いを調べる。
方法 被験者は健康目的で来院された33例の方。脊柱の補正板:三角錐の形状をした背もたれ板を仰臥位で左肩下に留置。自律神経の測定:心拍計は㈱ジーエムエス社のLRR-03、ソフトウエアーは㈱クロスウエルのきりつ名人。測定項目は時間領域全活動量CVRR、周波数領域:CCV(HF)、CCV(LF)、CCV(VLF)、L/H比、および心拍数:HR。来院されて安静後、体位変換法で各1分間計測(座位→起立位→立位)を行う:補正(-)。その後に脊柱補正板を20分間留置し安静後、再計測:補正(+)。統計は対応のあるt検定、回帰直線を用いた。
結果 体位変換中の自律神経活動量は、補正(-)よりも補正(+)は起立位でCVRRを有意に上昇させ、その成分はCCV(LF)、CCV(VLF)であり、CCV(HF)は変化なかった。心拍数は補正(-)よりも補正(+)が座位、起立位、立位にわたり有意に低下した。補正(+)では、起立位のCVRR、CCV(LF)ならびにCCV(VLF)は加齢との間で負の相関性を検出したが、その減衰する線形は座位より高値であった。
考察 CCV(VLF)は交感神経機能のゆっくりとした全体的活動、血管運動活動?を示すことが知られるが、脊柱補正で最も上昇したことから脊柱変位との関わりを想像する。脊柱補正後の起立位は低周波から超低周波領域の自律神経活動量が上昇し、心拍数は強い上昇がなかったことから、身体パフォーマンス、身体機能が低下した場合に脊柱補正は効果を表すと考えた。
結語 脊柱変位の補正を行わないよりも行うと、心拍変動由来の低周波から超低周波領域の自律神経活動は上昇することがわかった。
日時:2022年11月19日
会場:川崎市産業振興会館
主催:臨床自律神経機能Forum
当院は、「脊柱の調整は自律神経活動を健常にするか」 ー副題:脊椎原性疾患の発症機序を考えてー
の表題でポスター発表を行いました。
抄録を添付いたします。
脊柱の調整は自律神経活動を健常にするか
脊椎原性疾患の発症機序を考えて
桜カイロプラクティック 吉野和廣、吉野和織
第6回自律神経フォ―ラム抄録
背景 コンピュータの性能が向上し、心拍変動中の交感神経と副交感神経の測定が容易になり、交感神経のリズムは骨格筋の血管運動神経と相似し、骨格筋の活動と交感神経活動が密接に関わるとの報告も散見される。演者らは骨盤が左右対称的に歪むことを報告して来た。骨盤の歪みは体幹を捻じれさせ、脊柱は逆方向へ補正をするので変位が発生する。変位は脊柱に沿う交感神経幹・神経節の活動と体性神経との協調活動を混乱させて心身の機能が不全になる仮説を掲げている。これまで心拍R-R間隔中の時間・周波数領域の解析法で被験者が体位変換時、交感神経反応上昇型、同反転型、安静時自律神経活動低下型であったのが、脊柱補正後は健常型に近づく所見を得た。
目的 脊柱の変位を補正した時と行わない時の自律神経活動の成分の違いを調べる。
方法 被験者は健康目的で来院された33例の方。脊柱の補正板:三角錐の形状をした背もたれ板を仰臥位で左肩下に留置。自律神経の測定:心拍計は㈱ジーエムエス社のLRR-03、ソフトウエアーは㈱クロスウエルのきりつ名人。測定項目は時間領域全活動量CVRR、周波数領域:CCV(HF)、CCV(LF)、CCV(VLF)、L/H比、および心拍数:HR。来院されて安静後、体位変換法で各1分間計測(座位→起立位→立位)を行う:補正(-)。その後に脊柱補正板を20分間留置し安静後、再計測:補正(+)。統計は対応のあるt検定、回帰直線を用いた。
結果 体位変換中の自律神経活動量は、補正(-)よりも補正(+)は起立位でCVRRを有意に上昇させ、その成分はCCV(LF)、CCV(VLF)であり、CCV(HF)は変化なかった。心拍数は補正(-)よりも補正(+)が座位、起立位、立位にわたり有意に低下した。補正(+)では、起立位のCVRR、CCV(LF)ならびにCCV(VLF)は加齢との間で負の相関性を検出したが、その減衰する線形は座位より高値であった。
考察 CCV(VLF)は交感神経機能のゆっくりとした全体的活動、血管運動活動?を示すことが知られるが、脊柱補正で最も上昇したことから脊柱変位との関わりを想像する。脊柱補正後の起立位は低周波から超低周波領域の自律神経活動量が上昇し、心拍数は強い上昇がなかったことから、身体パフォーマンス、身体機能が低下した場合に脊柱補正は効果を表すと考えた。
結語 脊柱変位の補正を行わないよりも行うと、心拍変動由来の低周波から超低周波領域の自律神経活動は上昇することがわかった。
Posted by 桜カイロプラクティック at 23:00│Comments(0)