2015年01月15日
星状神経節とフィクセーション並びにブロック注射
皆様
ご無沙汰をいたしました。
前回までのお話は、「からだは左回りに回旋の歪み・ねじれ」 について、分かったことを述べさせていただきました。
それは、来院された300人以上の方について、左右の肩の位置を調べると、左と右は水平でまっすぐな方、左が後方で右が前方の方、その逆の方もおられるのですが、統計的に判定すると、健康な人であっても多数方の体幹は左回りにねじれています。
からだを真上から見た模式図3枚をご覧のように、上図は左肩が後ろで右肩が前方の典型的な左回旋を表しており、二番目の図は逆方向のまわり方をされておられます。
体幹が左回りす方が多い理由は、右の骨盤の歪み方が前方の方向によるという仮説は、これまでにデータを交え明らかにしましたので、具体的にはそちらをご覧ください。
そして本日からのテーマは、体の中心軸、脊柱についてです。
からだのねじれは脊柱に問題を起こしているのですが、現象的にはつかんでいるのですが、問題を起こす理由?、正体とは?、推測も出来ませんでした。
臨床研究を18年間かけて、ようやく、脊柱問題について、ようやく理解を深め流れをつかんだように思います。
中心軸である脊柱のねじれは、中心軸のゆがみはからだと同じ左回りの方向ではなく、右回りに歪んでいます。
先ほどの模式図、2番目と3番目の図の頭の中央に桜色をした十字型の像が脊柱を表し、右回りしています。
複雑ですよね。からだと脊柱のねじれる方向が逆方向であるとは・・
この脊柱の歪みは、骨が可動性を失った状態なので、フィクセーション(Fixation) といいます。
骨は正常な位置から歪んでいることが多いので 変位(Dsplacement) とも呼びます。
脊柱の歪みは、固定された椎骨が歪んでいるので、フィクセーションを起こし変位している わけです。
解説が回りくどいですね。 性格です。
二つの用語は、同義語的に用いられますが、骨がゆがんだ方向を意味するときには変位と称します。
もう少し、フィクセーションの説明をします。
図4は、からだを後ろから見た脊柱を表し、脊柱は(桜色)はフィクセーションし歪んでいます。脊柱は均一に歪むのではなく、バラバラにあらわれるようです。
なぜ、からだはそのようなフィクセーションを生じるのか、というのはこれまでにお話ししましたシリーズに書いてきました。
ここでは略します。
フィクセーションの状態を簡単に説明したいのですが、模式図5に表しました。
胸椎2番がフィクセーションし、右回旋の変位しているのですが、椎骨の右側の筋肉が強く緊張をし続けていることが理由で、変位しています。
すなわち、フィクセーションとは、椎骨に付着する筋肉が緩むことなく収縮をし続ける状態を表します。
また、筋肉以外にも外的な力が椎骨に加わりフィクセーション:変位を起こすことも中にはありますが・・
強靭なフィクセーションのことを、カイロプラクティックでは、サブラクセーション(subluxation)と別格の扱い方で用いています。
そして、本日のタイトルは「脊柱の歪みとブロック注射」
そのつながりとは?
専門的な用語も使うので、模式図をお示しし説明を加えながら進めます。
まず、背骨と首の付け根の構造をお示しします。
首は頸椎(C1~C7)が7個、胸部は胸椎(T1~T12)が12個、腰部の腰椎(L1~L5)は5個と仙骨、尾骨と区別され、これら全部を脊柱と呼びます。
脊柱は連続して曲がるのですが、自由に動くのが頸椎で、動きが鈍いのが胸椎です。
胸椎は内臓を抱え込むため肋骨をカゴ状に配置するので動きにくくなっています。
さて、動けない胸椎、特に1~3番はほとんど動けません。
一本でつながる脊柱とは、構造部位でみると動けるか・出来ないかの特徴があるわけです。
脊柱の椎骨と肋骨を下図に表すと、
色分けした黄色が頸椎で、上がC6で下がC7番、赤色は胸椎で上から3個がT1,T2、T3、胸椎の横には肋骨の一部があります。
その特徴を表す部位は、首の付け根なので、頸椎と胸椎の境目です。
頭は体幹の上ですが、正確には、頭がい骨を頸椎が支え、頸椎を胸椎と胸郭が支えています。
首は、からだの中でも多くの管状の器官で混み合い、解剖学的には脊髄神経、動脈・静脈、交感神経、脳神経、食道と気管が走行し、特に脊髄神経と交感神経節は絡み合い繊細に構築された重要な通路であり、境目です。
本日初めて、星状神経節 を取り上げます。
聞きなれない用語の、星状神経節とは?
からだには神経が張り巡らされていますが、神経の細胞や線維が集まった中継点にみられる塊のことを「節」と呼びます。
大脳は巨大な節中枢でしょうか・・
神経は筋肉を動かしたり、知覚を感じたり、そして臓器を動かすように運動神経と感覚神経そして自律神経があります。
自律神経は、内臓をはじめ全身の血管、皮膚の機能、文字通りからだの自律にかかわるすべての働きを支配・調節するのですが、例えば心臓の鼓動の回数を増やすのが交感神経で、ゆっくりするのが副交感神経です。
よく耳にする交感神経のことです。
交感神経の中枢は脳幹より上位の視床下部にあり、そこから交感神経の細胞が線維を出して心臓までつながります。
交感神経細胞の線維は脊髄を通り、胸椎T1番から腰椎3番あたりまでの個々の脊髄神経から出てきて、脊柱の側面に交感神経の細胞と線維の塊を作ります。
その塊の代表格が星状神経節と呼ばれるものです。
模式図では、黄色で示した数珠玉のような塊が5個ありますが、一番上の塊が星状神経節です。
星状神経節はからだの首の根元に両側にあります。
交感神経幹節は脊柱に沿って付着し、交感神経節の数は十数個の数からります。
十数個のそれぞれの神経節は重複しながら自律にかかわる働きを行い、星状神経節が支配する臓器とは、頭・顔面・首・上肢・胸・心臓・気管支・肺と循環器機能など。
自律神経が関わる病気とは何があるか、「自律神経失調症」、「パニック症」、「起立性低血圧症」を思い浮かべます。
星状神経節が関わる病気とは、大脳の血管、心臓の自律機能に直結するような問題なので、想像を超えるのですが、下記のリストは、インターネット上で公開されています。
例えば、
帯状疱疹、片頭痛、筋収縮性頭痛、群発頭痛、顔面神経麻痺、網膜色素変性症、視神経炎、緑内障、飛蚊症、アレルギー性鼻炎、突発性難聴、メニエール病、耳鳴、嗅覚障害、レイノー症候群、バージャー病、頸肩腕症候群、外傷性頸部症候群、胸郭出口症候群、肩関節周囲炎、頸椎症、強皮症、関節炎、多汗症、肩こり、小児喘息、痔核、便秘、不眠症、冷え性、自律神経失調症など・・
これらの病名や症状は、ペインクリニックがインターネットに掲載された内容を抜粋させていただきました。
星状神経節の自律機能を考えた時、現代医療の考え方は、星状神経節問題はこれらの病気を軽減する可能性を持つ臓器の考え方に基づいていると思います。
ペインクリニックで行われる星状神経節の治療法が、ブロック注射、やレーザー光線照射と呼ばれる療法です。
そのメカニズムは、機能亢進、過剰な興奮状態の星状神経節を正常な状態に戻すことにあり、神経節の周囲に局所用の麻酔剤注射を行い興奮を抑え、レーザー光線照射で同様に興奮を鎮静化させる機序とされています。
星状神経節は自律機能の親玉のような節なので、それが過剰な興奮状態が続くことは、からだに多様な症状をもたらせるのです。
現代医療では、星状神経節が興奮する原因は不明とされていますが、自律神経失調症、頭痛や頸部痛をはじめ血流の改善目的に適応され、多くの方が治り、立ち直られているのです。
さて、不明とされるその原因、
興奮し続け正常に戻れない星状神経節、どうやら頸椎と胸椎の境目のフィクセーションにヒントがありそうです。
次回に続く。
桜カイロプラクティックをどうそよろしく。
院長 吉野和廣
ご無沙汰をいたしました。
前回までのお話は、「からだは左回りに回旋の歪み・ねじれ」 について、分かったことを述べさせていただきました。
それは、来院された300人以上の方について、左右の肩の位置を調べると、左と右は水平でまっすぐな方、左が後方で右が前方の方、その逆の方もおられるのですが、統計的に判定すると、健康な人であっても多数方の体幹は左回りにねじれています。
からだを真上から見た模式図3枚をご覧のように、上図は左肩が後ろで右肩が前方の典型的な左回旋を表しており、二番目の図は逆方向のまわり方をされておられます。
体幹が左回りす方が多い理由は、右の骨盤の歪み方が前方の方向によるという仮説は、これまでにデータを交え明らかにしましたので、具体的にはそちらをご覧ください。
そして本日からのテーマは、体の中心軸、脊柱についてです。
からだのねじれは脊柱に問題を起こしているのですが、現象的にはつかんでいるのですが、問題を起こす理由?、正体とは?、推測も出来ませんでした。
臨床研究を18年間かけて、ようやく、脊柱問題について、ようやく理解を深め流れをつかんだように思います。
中心軸である脊柱のねじれは、中心軸のゆがみはからだと同じ左回りの方向ではなく、右回りに歪んでいます。
先ほどの模式図、2番目と3番目の図の頭の中央に桜色をした十字型の像が脊柱を表し、右回りしています。
複雑ですよね。からだと脊柱のねじれる方向が逆方向であるとは・・
この脊柱の歪みは、骨が可動性を失った状態なので、フィクセーション(Fixation) といいます。
骨は正常な位置から歪んでいることが多いので 変位(Dsplacement) とも呼びます。
脊柱の歪みは、固定された椎骨が歪んでいるので、フィクセーションを起こし変位している わけです。
解説が回りくどいですね。 性格です。
二つの用語は、同義語的に用いられますが、骨がゆがんだ方向を意味するときには変位と称します。
もう少し、フィクセーションの説明をします。
図4は、からだを後ろから見た脊柱を表し、脊柱は(桜色)はフィクセーションし歪んでいます。脊柱は均一に歪むのではなく、バラバラにあらわれるようです。
なぜ、からだはそのようなフィクセーションを生じるのか、というのはこれまでにお話ししましたシリーズに書いてきました。
ここでは略します。
フィクセーションの状態を簡単に説明したいのですが、模式図5に表しました。
胸椎2番がフィクセーションし、右回旋の変位しているのですが、椎骨の右側の筋肉が強く緊張をし続けていることが理由で、変位しています。
すなわち、フィクセーションとは、椎骨に付着する筋肉が緩むことなく収縮をし続ける状態を表します。
また、筋肉以外にも外的な力が椎骨に加わりフィクセーション:変位を起こすことも中にはありますが・・
強靭なフィクセーションのことを、カイロプラクティックでは、サブラクセーション(subluxation)と別格の扱い方で用いています。
そして、本日のタイトルは「脊柱の歪みとブロック注射」
そのつながりとは?
専門的な用語も使うので、模式図をお示しし説明を加えながら進めます。
まず、背骨と首の付け根の構造をお示しします。
首は頸椎(C1~C7)が7個、胸部は胸椎(T1~T12)が12個、腰部の腰椎(L1~L5)は5個と仙骨、尾骨と区別され、これら全部を脊柱と呼びます。
脊柱は連続して曲がるのですが、自由に動くのが頸椎で、動きが鈍いのが胸椎です。
胸椎は内臓を抱え込むため肋骨をカゴ状に配置するので動きにくくなっています。
さて、動けない胸椎、特に1~3番はほとんど動けません。
一本でつながる脊柱とは、構造部位でみると動けるか・出来ないかの特徴があるわけです。
脊柱の椎骨と肋骨を下図に表すと、
色分けした黄色が頸椎で、上がC6で下がC7番、赤色は胸椎で上から3個がT1,T2、T3、胸椎の横には肋骨の一部があります。
その特徴を表す部位は、首の付け根なので、頸椎と胸椎の境目です。
頭は体幹の上ですが、正確には、頭がい骨を頸椎が支え、頸椎を胸椎と胸郭が支えています。
首は、からだの中でも多くの管状の器官で混み合い、解剖学的には脊髄神経、動脈・静脈、交感神経、脳神経、食道と気管が走行し、特に脊髄神経と交感神経節は絡み合い繊細に構築された重要な通路であり、境目です。
本日初めて、星状神経節 を取り上げます。
聞きなれない用語の、星状神経節とは?
からだには神経が張り巡らされていますが、神経の細胞や線維が集まった中継点にみられる塊のことを「節」と呼びます。
大脳は巨大な節中枢でしょうか・・
神経は筋肉を動かしたり、知覚を感じたり、そして臓器を動かすように運動神経と感覚神経そして自律神経があります。
自律神経は、内臓をはじめ全身の血管、皮膚の機能、文字通りからだの自律にかかわるすべての働きを支配・調節するのですが、例えば心臓の鼓動の回数を増やすのが交感神経で、ゆっくりするのが副交感神経です。
よく耳にする交感神経のことです。
交感神経の中枢は脳幹より上位の視床下部にあり、そこから交感神経の細胞が線維を出して心臓までつながります。
交感神経細胞の線維は脊髄を通り、胸椎T1番から腰椎3番あたりまでの個々の脊髄神経から出てきて、脊柱の側面に交感神経の細胞と線維の塊を作ります。
その塊の代表格が星状神経節と呼ばれるものです。
模式図では、黄色で示した数珠玉のような塊が5個ありますが、一番上の塊が星状神経節です。
星状神経節はからだの首の根元に両側にあります。
交感神経幹節は脊柱に沿って付着し、交感神経節の数は十数個の数からります。
十数個のそれぞれの神経節は重複しながら自律にかかわる働きを行い、星状神経節が支配する臓器とは、頭・顔面・首・上肢・胸・心臓・気管支・肺と循環器機能など。
自律神経が関わる病気とは何があるか、「自律神経失調症」、「パニック症」、「起立性低血圧症」を思い浮かべます。
星状神経節が関わる病気とは、大脳の血管、心臓の自律機能に直結するような問題なので、想像を超えるのですが、下記のリストは、インターネット上で公開されています。
例えば、
帯状疱疹、片頭痛、筋収縮性頭痛、群発頭痛、顔面神経麻痺、網膜色素変性症、視神経炎、緑内障、飛蚊症、アレルギー性鼻炎、突発性難聴、メニエール病、耳鳴、嗅覚障害、レイノー症候群、バージャー病、頸肩腕症候群、外傷性頸部症候群、胸郭出口症候群、肩関節周囲炎、頸椎症、強皮症、関節炎、多汗症、肩こり、小児喘息、痔核、便秘、不眠症、冷え性、自律神経失調症など・・
これらの病名や症状は、ペインクリニックがインターネットに掲載された内容を抜粋させていただきました。
星状神経節の自律機能を考えた時、現代医療の考え方は、星状神経節問題はこれらの病気を軽減する可能性を持つ臓器の考え方に基づいていると思います。
ペインクリニックで行われる星状神経節の治療法が、ブロック注射、やレーザー光線照射と呼ばれる療法です。
そのメカニズムは、機能亢進、過剰な興奮状態の星状神経節を正常な状態に戻すことにあり、神経節の周囲に局所用の麻酔剤注射を行い興奮を抑え、レーザー光線照射で同様に興奮を鎮静化させる機序とされています。
星状神経節は自律機能の親玉のような節なので、それが過剰な興奮状態が続くことは、からだに多様な症状をもたらせるのです。
現代医療では、星状神経節が興奮する原因は不明とされていますが、自律神経失調症、頭痛や頸部痛をはじめ血流の改善目的に適応され、多くの方が治り、立ち直られているのです。
さて、不明とされるその原因、
興奮し続け正常に戻れない星状神経節、どうやら頸椎と胸椎の境目のフィクセーションにヒントがありそうです。
次回に続く。
桜カイロプラクティックをどうそよろしく。
院長 吉野和廣
Posted by 桜カイロプラクティック at 15:15│Comments(0)