2010年02月10日

腰痛と膝痛対策の運動  どうする逆効果

皆様
今日は。
桜カイロの吉野和廣です。


本日の話題は、腰痛・膝痛改善の目的で行われる誤った体操・運動についてです。

一昨日電話で予約を頂いた60代のご婦人は、左のわき腹から背中の左肩甲骨にかけて痛みと違和感を訴えておられました。
わき腹が痛いため一週間前には内科を受診されて内科的に原因なしと診断されて当院に来られました。痛くなってから二週間も経っています。

問診で伺っていると日ごろ腰痛予防の体操を行っていると打ち明けていただきました。

その体操は上を向き寝転び両膝を立てる姿勢を作り、両膝を一緒に左右に傾け繰り返す方法で、体操の出所を念のため聞くとテレビ番組の腰痛体操でした(2009年出題)。

ご婦人は腰痛予防の目的でTV情報を実践され続けたのですが、どうやらその運動行為が元となって継続がわき腹から背中を痛めたと考えます。

施術は、痛めたわき腹と背中の筋肉(腹斜筋、起立筋)を弛緩させた後、骨盤と脊柱の関節を調節しました。

ご婦人は痛みがわき腹にありその原因が不明だったので不安で過ごされた一週間のようでしたが、痛みと違和感の大半はすぐに消失したことで笑顔を戻され、説明すると安心感が得られたようです。

ここで皆さんに久しぶりに質問します。
このご婦人が筋肉痛に陥った主な理由は 「年齢を超えた体操のやり過ぎ」 と思いますか?

・・・・



筋肉痛の原因は、私は運動の単なるやり過ぎでなく骨盤の歪みがもたらしたと思っています。

筋肉の弱化は年齢相応ではありますが、高齢者であっても正常な筋肉が10日間にわたって回復できないままであるのは単純な運動量のやり過ぎの問題では済みません。

筋肉が土台にしている骨関節が生理的な位置ならば、筋肉は疲労し痛みを感じても数日後で回復するものです。
腹斜筋や起立筋は骨盤を土台にしており骨盤位置がずれていると安静時でも収縮しやすく、その結果年配者のそれらの筋は新たなわずかの運動量でも負荷は大きく容易に炎症が続くのです。

腰痛や膝痛がなく、すこぶる健康と自負される90%の方々の仙腸関節は間違いなくずれています。

四方山カイロ話の役割は、読者の皆様に
「健康をもたらす科学、良いこと悪いこと」
そんな情報を発信したいと考えおります。

そして医療従事者の方には、専門領域の最新情報にお役立てください。
役立つ医療情報を発信しています。
治療で禁忌情報と新治療法に追加されご活用頂きたければ真に幸いです。
骨盤に関する詳細情報は前々・報に記載しています。
探し方は下のタグから「仙腸関節」をクリックして抽出してご覧下さい。


もうお一人のケースです。
二週間前にも60代男性が膝痛を悪化させて来院いただいたのですが、お話を伺うと膝痛は持病であり今回はTV番組で膝痛改善法を見て、直ちに実技通り古タイヤチューブを用いた太もも筋肉強化を試みた結果とのことでした(2010年1月出題)。

ご婦人の場合は仙腸関節の上部側でかかわる腹斜筋などの筋肉群であるのに対し、男性は仙腸関節の下部側の筋肉群、大腿四頭筋と縫工筋、大腿二頭筋と薄筋です。これらの筋が仙腸関節の位置がずれているため正常な筋収縮できないことが膝痛の原因です。

指導された体操は腰痛・膝痛改善のたくさんの実績があるから発表されたのでしょうが、改善された方は仙腸関節の歪み程度が小さい方であったはずで、その歪みが大きい方は逆に悪化するのでそのような方もおられるのではないでしょうか?


体の仕組みで骨盤を支える仙腸関節の基礎知識と問題、及び仙腸関節と膝関節の連携があることを知ることは筋肉学の以前に基本で要であり腰痛・膝痛の改善に必要な専門知識です。
筋肉強化の指導以前に、該当する関節の位置を正常化にしておくことがとても重要なのです。

腰痛と膝痛の原因はこれらの問題がとても関与し、主原因と位置づけと考えても間違っていません。

健康情報を元にした同じ理由で中高年の方が、毎月のようにご来院いただくのですから、TV情報が元で全国では相当な人数の方が腰痛・膝痛をさらに悪化させてしまっていると推測できます。

ご婦人と男性の良くなりたい一心は裏切られたのですが、運動療法を啓蒙される先生には仙腸関節の知識を下地にした確かな方法を開発され、「確かな情報」を発信するTVメディアの方々はこの想像される現状を知っていただきたく願います。
これらの方は筋肉が疲弊し腰痛・膝痛の寛解と悪化を繰り返し長期に経過すると仙腸関節と脊柱は変形してしまうことが多いとお見受けします。日常の質的な生活意欲も衰えることにつながります。

驚かせるつもりはないのですが、近くに住まわれるあるご婦人は膝痛で一年以上にわたり接骨院と整形外科病院で治療を続けるも悪化を重ねたあげく最後は人工膝関節と取り替える手術を受け、身体障害手帳を交付されました。
初期の膝痛あるいは膝関節が悪化しても的確な対応は出来るのに、生活範囲が生涯にわたり制限された人生になってしまうことにもつながる大きな問題です。

私の発現も一方的ではあります。
下腿の筋肉強化はとても良い方法ですが、単純にすべての腰痛・膝痛の方に適応しないし、逆に悪化することも含んだ情報発信をしていただければと思います。

腰痛・膝痛が慢性化・悪化している方の対処法として体操・水泳・ヨガなどの自己方法や整体は私はお勧めしません。
理由は仙腸関節を良い方向でなく悪い方向に調整してしまう確立が50%の可能性と、良い方向へは自己の運動では容易に戻らないからです。

カイロプラクティック院は仙腸関節を調節する専門家であるのですが、仙腸関節がどの方向に悪いのかを診断出来、施術が出来る人は残念ながらそれほどおられないことも実態です。
的確な施療が出来るカイロプラクティック従事者は少ないのですが、しかしよくわかったカイロプラクティック院、オステオパシー院にご相談頂くことが最良です。


次回は、治らない膝痛についてです。
では。

  


Posted by 桜カイロプラクティック at 14:12Comments(2)

2010年02月04日

つらい腰痛・膝痛の改善 桜カイロの情報発信開始します

皆様
今日は。
桜カイロの吉野和廣です。

その後の母は、術後経過もすこぶる順調で通院も終わりました。
高度な切開と縫合技のおかげです。懸念されていた右腕の可動制限もなくリハビリも不要で、執刀いただいた○鶴先生への感謝する気持ちは尽きません。そしてヒマシ油の外用塗布はすばらしいですよ。

神戸に住み慣れた老婦人は近々袋井市に転居することも決まり、不肖息子のごく近くで隠居生活を営みます。

消化器官の頑丈さでは誰にも負けない母は今回乳がん摘出で辛い思いをしたのですが、20年前から左膝も悪くしていて変形性膝関節症を提げています。今では両膝とも同じ病名をかかえ右足はほとんど膝は可動せず重度です。

歩くのに杖は必須となってしまい歩行距離も制限されて来ました。昨年の秋ごろは1人で坂道も時間をかけながら上っていたのが、今は介添えなしでは困難です。

四方山話読者の皆様には、膝痛を改善する話題提供をしておきながらでもその母が重い膝痛とは桜カイロは頼りにならないように映ったと思います。

両膝まで痛めた理由は、私がこれまで定期的に細かな施術を行わなかったことと、安易に医療機関に通い慢性化したことによると思っています。
こちらは神戸に帰った時、施術し直後は動きやすくなっても次に診るまでの数ヶ月間の間が歯がゆく、母も私をあてにしていないようで医療機関で当初膝関節液を抜いてはステロイド剤を注入したり外用剤を貼り付け電気治療を毎週のように通院していたと思います。近くに住んでいればアドバイスも聞き入れてもらえたのでしょうが電話で伝えても従ってもらえずそんなことを繰り返して来た結末です。


すっかりと悪くなった両膝ですが、これからは桜カイロのすべての技をもって母の膝関節に回復を挑みます。この場に及んでですがやりがいがあると言うものです。
これまで四方山話で膝痛のこと記述しましたように、変形性膝関節症で痛みがあっても骨盤の位置を正常に戻す動作を繰り返すことが改善の糸口であり、すくなくともこれ以上の悪化は進行しないと思います。

すでに融合したように固定した母の膝関節ですが時間はかかるでしょうが今の不具合を軽減させ自分で歩行が出来るまで改善するものと考えています。
実証できるかどうかにかかっています・・

さて本日は、私が大勢の患者さんと向き合って知ることとなった、皆さんの間違った情報について問いかける情報発信を行いたいです。

TV番組では腰痛・膝痛予防の目的で専門家が出てきて原因を解説し、対策法の体操をタレントで実技指導する情報を増やしているようにお見受けします。
高齢者の人口増加一途の本邦では、腰痛と膝痛を防ぐ容易で安価な手立ての情報発信は大変ありがたいことです。それが本物なら役立ち啓蒙活動を後押しするのですが、そうでないのなら逆に視聴する方の腰痛・膝痛をさらに悪化させることにもなりかねません。

また当院を受療される腰痛・膝痛の多くの方は初期でなく慢性化の症状ですが過去に医療に通い続け繰り返し現在に至るという共通したものがあることを強く受け止めていました。

これほど悪化するまで曖昧にしていた母の膝問題を大いに反省し、桜カイロは十数年間の臨床研究で解明し筋骨格系疾患の発症機序仮説を立てそれが土台となり、膝痛・腰痛者はなぜ増加の一途なのか、医療で行われる治療の問題点について、桜カイロは情報発信することに決心しました。

発信目的は、TVの不適切な指導や健康雑誌の偏った情報があることを皆様に知っていただき安易にまねて持病を悪化させないようにしていただきたいことです。医療機関を非難するのが目的でありません。現場で働く医療者としてまた大学専門課程で研究する先生には科学者として腰痛・膝痛者の発症機序解明を真摯に取り組んでいただきたいからです。脊椎原性疾患の改善研究は仙腸関節の問題を知らないで取り組めないはずです。
桜カイロは仙腸関節の臨床情報を学術誌に発表し、もっと詳細な情報開示もやぶさかではありません。
興味を持っていただける医療、研究機関であるなら研究活動も協力します。


次回の話題は、腰痛・膝痛者に対する痛み改善の体操・運動についてです。  


Posted by 桜カイロプラクティック at 12:12Comments(3)