2014年01月06日
骨盤の歪みとはどういうことを云うのか?
本日より仕事始めの方、すでに始めておられる方の皆様
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしく申し上げます。
さて、年頭の桜カイロ四方山話は、
骨盤の歪みとはどういうことを云うのか?です。
近頃では 「骨盤の歪み」 が健康雑誌に取り上げられることからでしょうか?
来院される依頼者も歪んだ骨盤を正しく矯正してほしいとの問いかけを受ける機会も多くなりました。
当院もそこに書かれている内容に興味を持つのですが、特集と題する中身は骨盤がどのように歪むのか紹介されてないようで、そのどれを覗いても正しく啓蒙的な資料としては誠に乏しいのが実情のようです。
四方山話では、過去に記載していますが、今一度ここで触れて見ることにしました。
本日は、骨盤の構造を基にした歪むことのお話です。
縦向きと横向きの脊柱
現代人の手と足は、四足歩行動物の前足と後ろ足が進化したものです。図1はヒトが犬を連れて散歩しているレントゲン画像の模式図です。四足歩行の場合、前足で頭部・胸部を、後ろ足で腹部を支えます。対する二足歩行では当然の事ながら全てを後ろ足(足)で支えます。
四足と二足のもう一つの大きな違いは、四足は脊柱と骨盤が横方向に配置され、二足は縦方向に配置されていると云うことです。横方向よりも縦方向の方が力学的な問題を増やすことになります。
ヒトの内臓というのは重たいもので、四足の場合は昔のお姫様が乗る駕籠を想像していただくと横棒が脊柱で駕籠に乗るお姫様が内臓です。
力学的には上下運動に対する横軸方向が課題になります。対する二足は縦軸の前方に内臓が配置されるので自重のバランスを保つために胸部は後彎(こうわん)を強いられ、胸部が後彎すると腰部は前彎(ぜんわん)、仙骨は後彎、頸部も前彎とS字状の連続性に複雑な構造になります。
二足歩行は脳が大きくなる代償として脊柱は前彎と後彎、左右側への側屈と回旋の3軸方向に不安定性をもたらしました。
人類の先祖が二足歩行を可能にしたのは骨盤が大きく発達したからで、ヒトの骨盤と頭の大きさは、他の哺乳動物と比較するとかなり大きくなりました。さて次に骨盤のお話をします。
骨盤と仙腸関節の構造
骨盤の構造と機能について記載します。骨盤は下腹部にあり脊柱を支えていますが、日常生活において骨盤について気にかけたことあるでしょうか?
図2は下腹部を形づくる左右の寛骨と大腿骨を示しています。大腿骨は寛骨の股関節で支えられ、寛骨の前面側の先端は恥骨で、左右寛骨は恥骨結合で強く結ばれ安定性を高めています。
寛骨の後ろ側中央は開いていますが、ここに仙骨が挟み込まれるように入り込みます。
仙骨の大きさは大人の手のひらのサイズと同じぐらいで、仙骨の上に腰椎が連結します(図3)。
図2の右足側の寛骨の内側は小さく黒色で塗りつぶし、また図3の仙骨右側の側面も黒色で塗りつぶしましたが、塗りつぶした部位どうしが連結します。連結する部位が仙腸関節です。
図4は仙骨と寛骨は合体した骨盤を示しています。骨盤は底がない洗面台のシンクの形状をイメージしていただければと思います。
大きな問題を抱えていながら取り残された仙腸関節
仙腸関節は仙骨と寛骨とが縦方向の水平関節であり、一見可動性に乏しく正体が分かりにくい関節といわれます。
その動き方は寛骨と仙骨は逆方向の回転運動を行いながら腰椎が連動して動くことを解剖学書:グレイの解剖学、カパンディ 関節の生理学は解説しています。
ところが本邦の主な解剖学書には仙腸関節は矢状面の動きを解説したものや、ほとんど可動しない安定した構造体と記載されたこともあり、これらの混乱が仙腸関節の問題が置き去りにされた理由であると思います。
人類は四足歩行をしていた頃の骨盤を今も抱えたままで、進化の途中なのかも知れません。体性機能障害が起こる中で一番大きな障害とは仙腸関節の問題であり、この問題が神経筋肉骨格系疾患発症の要因に大きく関わっていると考えています。
骨盤体操はおすすめ出来ない理由
腰痛、肩こりの改善に骨盤回しや骨盤体操などがあるようですが、骨盤の歪み方は後で述べますように3軸方向の歪みが両側寛骨にあり、左右は逆方向に歪んでいます。このため例えば立った姿勢で腰を右に回すと骨盤の動きは左側と右側の寛骨は右回りになり、左が補正されても右は逆に歪みを増しています。左右の寛骨の変位方向は逆方向にあるので腰を回す行為は悪化につながる可能性があります。
次回に続きます。
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしく申し上げます。
さて、年頭の桜カイロ四方山話は、
骨盤の歪みとはどういうことを云うのか?です。
近頃では 「骨盤の歪み」 が健康雑誌に取り上げられることからでしょうか?
来院される依頼者も歪んだ骨盤を正しく矯正してほしいとの問いかけを受ける機会も多くなりました。
当院もそこに書かれている内容に興味を持つのですが、特集と題する中身は骨盤がどのように歪むのか紹介されてないようで、そのどれを覗いても正しく啓蒙的な資料としては誠に乏しいのが実情のようです。
四方山話では、過去に記載していますが、今一度ここで触れて見ることにしました。
本日は、骨盤の構造を基にした歪むことのお話です。
縦向きと横向きの脊柱
現代人の手と足は、四足歩行動物の前足と後ろ足が進化したものです。図1はヒトが犬を連れて散歩しているレントゲン画像の模式図です。四足歩行の場合、前足で頭部・胸部を、後ろ足で腹部を支えます。対する二足歩行では当然の事ながら全てを後ろ足(足)で支えます。
四足と二足のもう一つの大きな違いは、四足は脊柱と骨盤が横方向に配置され、二足は縦方向に配置されていると云うことです。横方向よりも縦方向の方が力学的な問題を増やすことになります。
ヒトの内臓というのは重たいもので、四足の場合は昔のお姫様が乗る駕籠を想像していただくと横棒が脊柱で駕籠に乗るお姫様が内臓です。
力学的には上下運動に対する横軸方向が課題になります。対する二足は縦軸の前方に内臓が配置されるので自重のバランスを保つために胸部は後彎(こうわん)を強いられ、胸部が後彎すると腰部は前彎(ぜんわん)、仙骨は後彎、頸部も前彎とS字状の連続性に複雑な構造になります。
二足歩行は脳が大きくなる代償として脊柱は前彎と後彎、左右側への側屈と回旋の3軸方向に不安定性をもたらしました。
人類の先祖が二足歩行を可能にしたのは骨盤が大きく発達したからで、ヒトの骨盤と頭の大きさは、他の哺乳動物と比較するとかなり大きくなりました。さて次に骨盤のお話をします。
骨盤と仙腸関節の構造
骨盤の構造と機能について記載します。骨盤は下腹部にあり脊柱を支えていますが、日常生活において骨盤について気にかけたことあるでしょうか?
図2は下腹部を形づくる左右の寛骨と大腿骨を示しています。大腿骨は寛骨の股関節で支えられ、寛骨の前面側の先端は恥骨で、左右寛骨は恥骨結合で強く結ばれ安定性を高めています。
寛骨の後ろ側中央は開いていますが、ここに仙骨が挟み込まれるように入り込みます。
仙骨の大きさは大人の手のひらのサイズと同じぐらいで、仙骨の上に腰椎が連結します(図3)。
図2の右足側の寛骨の内側は小さく黒色で塗りつぶし、また図3の仙骨右側の側面も黒色で塗りつぶしましたが、塗りつぶした部位どうしが連結します。連結する部位が仙腸関節です。
図4は仙骨と寛骨は合体した骨盤を示しています。骨盤は底がない洗面台のシンクの形状をイメージしていただければと思います。
大きな問題を抱えていながら取り残された仙腸関節
仙腸関節は仙骨と寛骨とが縦方向の水平関節であり、一見可動性に乏しく正体が分かりにくい関節といわれます。
その動き方は寛骨と仙骨は逆方向の回転運動を行いながら腰椎が連動して動くことを解剖学書:グレイの解剖学、カパンディ 関節の生理学は解説しています。
ところが本邦の主な解剖学書には仙腸関節は矢状面の動きを解説したものや、ほとんど可動しない安定した構造体と記載されたこともあり、これらの混乱が仙腸関節の問題が置き去りにされた理由であると思います。
人類は四足歩行をしていた頃の骨盤を今も抱えたままで、進化の途中なのかも知れません。体性機能障害が起こる中で一番大きな障害とは仙腸関節の問題であり、この問題が神経筋肉骨格系疾患発症の要因に大きく関わっていると考えています。
骨盤体操はおすすめ出来ない理由
腰痛、肩こりの改善に骨盤回しや骨盤体操などがあるようですが、骨盤の歪み方は後で述べますように3軸方向の歪みが両側寛骨にあり、左右は逆方向に歪んでいます。このため例えば立った姿勢で腰を右に回すと骨盤の動きは左側と右側の寛骨は右回りになり、左が補正されても右は逆に歪みを増しています。左右の寛骨の変位方向は逆方向にあるので腰を回す行為は悪化につながる可能性があります。
次回に続きます。
Posted by 桜カイロプラクティック at 17:17│Comments(1)
この記事へのコメント
私は現在、本を書いていて、図1を掲載したと思うのですが、著作権等はありますか。また、引用数るときの氏名、引用場所などの記述は必要ですか。
当方のメールは
igoharumi1@outlook.jp
この書き込みは公開しないでください。
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Posted by 矢野徳郎 at 2020年12月17日 12:02